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イ ベ ン ト 報 告

◆さまざまなものを超えて「九条」という一点で集う◆


福岡女性九条の会
第12回集会 
絵本「戦争のつくりかたはどこまで到達したか]
池田香代子さん

講演ダイジェスト報告 
2014年10月18日実施


 開会のごあいさつ


 朗読:竹山由子さん



熱意の中にユーモアを交えて




 閉会のごあいさつ

池田香代子先生講演のあらまし 20141018

「世界がもし100人の村だったら」という本は、最初はインターネットの中のうわさ話、口伝えの昔話のようなものから出た。このような現代の民話というのはいろんな媒体を通して広まる。新しい噂は新しい媒体に載りやすく、インターネットにものってくる。ペシャワール会の中村先生が緊急募金を行っていたので、インターネットを通してきたこの話を翻訳して、印税を中村先生に寄付しようと思った。だから「100人の村」は中村先生に使っていただくためのお金が目当てだった。それで中村先生に100万円寄付をした。しかし結局、印税収入は5千万にのぼり、他にも支援を必要としているところを探して、今すぐ資金を必要としているいろいろなところに受け入れていただいた。

この本はシリーズになっていて、2冊目も出させてもらえた。元は「世界がもし1000人だったら」というコラムだったが、中身はむちゃくちゃ、でも伝わるスピードが加速し、それが100人になった時、以前より心に響くタイトルに変わり、現代の民話といえる文学が誕生したのだと思う。

最初のシリーズは環境問題と貧困がテーマであった。そして子供についての4冊目も作った。出版社がどんどん出してくれというので、5冊目にエネルギーのことに重点をおいた未来編を作った。もう1冊作らないといけないと思い、また出版したのがマネーをテーマにしたものだった。今、経済がグローバル化して、この20〜30年、先進国、日本もそうだが、金持ちが大金持ちになり、大金持ちはそれを海外投資に使うから、一般の社会で回るはずのお金が回らなくなってきている。

「夜と霧」の第二版を私が出す時には、第一版の翻訳者霜山徳爾先生に、前訳者の後書きを書いて貰った。日本では、前訳者が存命の間は、訳してはいけない絶対のルールがある

読売新聞で21世紀に読み継ぎたい本の海外ノンフィクションの3位に入っていた本を前訳者が後書きを書いてくれたということは他にないと思う。

「戦争の作り方」はある女性が2004年の5月3日に気心の知れた女性をあつめて小さなメーリングリストを作り、一通のメールを流した。その後2週間、毎日、いろんな人が意見を言って、1日100通のメールが飛び交った。海外に居る人もいたので、夜中もみんなが言いたいことをいった。中身は変化していったが、もとのところは変わっていなかった。むしろブラッシュアップしてよくなった。2ヶ月で3回増刷をして、3万3000部を売り切った。次に9月にマガジンハウスから本として出してもらって、それが9万部売れた。平和運動をやってお金まで儲けて、有効利用させていただいている。3・11の時もそうした。

去年の12月くらい、新潟日報という地方紙、北陸中日新聞が、申し合わせたわけじゃないけど社説で、「『戦争の作りかた』という本があるが、いまの世の中、そのとおりになっていないか」と書かれた。

 

自衛隊の海外派兵地域について言うと、南北アメリカ大陸、ヨーロッパ、ロシアを除いて世界中に自衛隊は行っている。南スーダンでは韓国軍が自衛隊に弾薬を借りたという話もある。韓国軍もPKOとして道路を作るために日本の自衛隊と同じ状況で行っていたが地元の武力勢力から逃れるために、住民が何千人も韓国軍のキャンプに逃げてきた。応戦しなければならないが弾薬をそんなにもっていないので日本が貸した。PKOで行ってみても、主要任務が住民保護だったりすることはざらだと言う。自衛隊は今のところ一発も弾薬を撃たずにすんでいるが、武装勢力が来たらどうするのか、そういういう薄氷を踏む状態である。

この本の帯をアーサー・ビナードさんに書いてもらえた。彼が書いているのは、よくよく考えれば、戦争の反対は平和じゃなくてペテンであること。ペテンの最たるものが、“積極的平和主義”という言葉である。これは「プロアクティブ パシフィズム」と言って、先手必勝平和主義、 安倍好みの言葉である。もっといえば攻撃は最大の防御なりという平和主義、つまり戦争は平和主義。 他に言葉のペテンはたくさんある。私たちはペテンにだまされている方が楽、生活が忙しいから。そのうちに空襲にあい、原爆を落とされ、ということになるまで気がつかない。また繰返そうとしているが、そんなわけにはいけない。私達はペテンに気をつけろということを肝に銘じたいと思う。

 

外国メディアは安部政権を最初から警戒している。日本ではプロパガンダはワーワー騒いで言うが、その一方で、プロパガンダで伝えたいこと減らす。ゆがんだ報道も大問題だが、報道されないことは、何が報道されていないのかがわからないのでもっともっと深刻である。いまはネットがあるので、こうやって私なんかでも、海外メディアを検索することができる。そういうことにちょっと時間を割けば、ペテンにだまされなくてすむ。昔話に狐や狸が人間をばかそうとする話があるが、生きるための知恵の宝庫の中に「嘘は見抜け」という言葉がある。日本では明治以降、民衆の知恵としての「嘘は見抜け」を忘れてしまって、正直はいいことという徳の話ばかりがでている。私達は、「嘘は見抜け」という民衆の知恵を取り戻すべきである。伊丹万作さんが言うとおり、「騙されたと言っている人達は、また騙される、嘘は見抜け」を私たちは肝に銘じたいと思う。




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